偏見おじさんの 知的な痴的な偏見エッセー

@偏見おじさん said「偏見」という言葉に対する偏見を一旦忘れて。 偏見=物事のひとつの見方という立場から始めないと、何も始まらない。

第309回 山田太一 論〜新ドラマ「おやじの背中」を前にふぞろいの林檎たちより

山田太一の目を正視できない。
喉の奥から自分のうす暗い部分がせり上がって裏返しになりそうな想像をしてしまうのは、俺だけだろうか。

こんなことでいいのか。いいのだ。目を見れなくても、背中を見ていれば(多分!)。

さて、2014年7月スタートのフジテレビ系ドラマ「おやじの背中」。それぞれ脚本演者が異なる一話完結のドラマシリーズ。
山田太一はいう「連続ものはもう体力がもたない」。とはいえ近年でもショットのドラマや自伝的エッセーと活動は精力的だ。
その山田太一編は渡辺謙東出昌大主演だという。渡辺謙はドラマスペシャル「星ひとつの夜」で好演したことがあり、東出くんは同じくフジテレビ「早春スケッチブック」でいえば鶴見辰吾だろうか。

ドラマの前に、「ふぞろいの林檎たちII」第一話「会社どこですか?」(1985)より、おそらく冬の山中湖と思われる新人研修の合宿、鬼教官の暗示めいた説教。


甘ったれた連中はすぐ批評をする。これになんの意味がある、どういう生きがいがある、これを俺がやるのは不公平だ。ぶつくさいって仕事を辞める。いいか。世の中、やりがいがぎっしり詰まった仕事なんて百万にひとつよ。大半は、意味のない苦労ややりがいのねえ、自分には不向きな仕事でいっぱいなんだ。いいか。世の中甘い仕事なんてねえ。今の仕事で精一杯力をつけるしかないんだ!


エーーリリイィーー


早春スケッチブック DVD-BOX

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