第276回 SHORT2 論〜教室大パニック!「外国人英語教師」の好きなフルーツ
BASED ON FACT
バスジャック事件以来、偏見小学校児童は、地元のテレビ局ではたらく野暮ったいカメラマンのフレームを意識するなどやや注目を受けながら、ほとんど全員地域の公立中学校に入学した。
大穂さんは、私立へ行ってしまった。
(チャイム)
英語の授業に突然現れたうら若い碧眼の女性ティーチャー。
容姿や成績はパッとしないが地元の名士の子女ということで級長を任されている副田君が代表質問。
SOEDA BOY
What kind of Fruits Do U like?
TEACHER
Well‥ I Like MANGO!
STUDENTS
????
当時、町内の青果店に並ぶ果物はバナナ、メロン、いちご、りんご、温州みかん、桃、柿、パイナップルあたりが主流であった。
MANGO??
MANGOて何だ???
ざわつく教室。新しもの好きな家庭の子女が、ファミリーレストランで見かけたという。
TAKESHITA BOY SCREAMED
ME TOO !I like MANGO!!
I LIKE BANANA TOO!
I HAVE BANANA!
カルチャーギャップをドメスティックに解釈することに長けた竹下君はまた、クラスで一番の早熟でもあった。
以降は蜂の巣をツツいたような騒ぎに。それまでBOYSが秘密裏に共有していた妄想の中でも最重要ワードを、今!公の場所で!大声で!叫べるのだ!誰からも咎められることはない。これはFRUITSの名前だからだ!
机に乗ってMANGO!じゃれ合ってMANGO!
MANGO!MANGO!MANGO!MANGO!BANANA!
TEACHERはSMILEを湛えていた。よく分からないが、東洋の子ザルBOYSがきゃっきゃと興奮している。
一方GIRLS。
意味が分かってか分からずか、ものすごい形相で震える、怒りの目をたぎらせてる者、また始まったとスカしてる者、じっとうつむく者、とにかくうるさーい!と諌める者。
さながら、フルーツが白濁まみれという様相を呈していた。
(給食の時間)