第373回 監視社会 論〜ぼくはカメラを盗んでいません
そうは言ったってキミ
ぼくはカメラではなく、カメラが入ってたカバンを盗んだんです!
そうは言ったってキミ
ぼくはカメラではなく、「キャメラ」を盗んだんです!
そうは言ったってキミ
ぼくは逆に盗まれたんです。防犯カメラに!
そうは言ったってキミ
ぼくはカメラを盗んでいません
あなた方は、生まれてこの方、物を盗んだことはないんですか?
そうは言ったって。キミ。
第372回 4コマまんが 論〜出血大サービス
1.医者
‥これは、エボラかもしれない。
海外に行きましたか!?
2.患者
いえ。ただ腹が膨張して。く、苦しい!
3.医者
何です!?何を食べたんです!?
4.患者
エ‥エバラ 焼肉の たれ
(ガクッ)
第371回 いぬのきもち 論〜昭和は野良犬がうろうろしていた
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「スズが噛まれた!」
叫びながら公園に入ってきたのはキンゴだった。子供たちの間に緊張が走る。
スズとは、美人競泳選手、千葉すずのことではなく同級生の鈴木くんのことで、当時子供たちを震え上がらせていた[野良犬]が、ついにわれわれの同胞に牙をむいたことを意味していた。
蜘蛛の子を散らすようにみんながいなくなった。
自宅へ向けそれぞれのサバイバルが始まる。
ズックのバリバリをキツく貼り直す者、ポケットに石を補充する者、駄菓子で注意を逸らそうと相談する者、自転車で迂回を図る者。
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しかしおれはたかを括っていた。ニュースを持ち込んだのは「かましのキンゴ」つまりホラ吹きとして通っていたからだ。
家に帰るにはスズがやられた現場を通らなければならないが、まさか、もういないだろう。
おれは歩き始めた。不思議と人っ子ひとりいない。車も通らない。もうすぐ家だ。ゆるいカーブを曲がると、どす黒い獣が我が物顔で車道の真ん中に寝そべっていた。
そこらの飼い犬とはぜんぜん違う。狡猾で注意深く粗野。ワイルドで優雅な物腰。
金縛り。動けない。目が合うと、というより目が離せないおれに向かって、よだれを垂らしながら近づいてくる。遊んで欲しいのか、狩りのつもりなのか。
いぬのきもち。
下半身、肛門付近が熱く、ズンと重たくなった。もつれる足で逆走し、シミュレートしていた崖の上に避難すると、しばらくうろうろし、去って行った。遊びに飽きたのだ。
半ズボンはおしっこでびちょびちょ。幸か不幸か、おれはまだ精通を迎えていなかった。もし精通していたなら確実に爆発していただろう。
話はガラッと変わり、
台風の時に必ず報道される「海の様子を見に行った男性60才が足を滑らせ意識不明」というニュースを聞いて、バカだなあと思う反面、その気持ちは少しわかるのだった。
第370回 ラジオ クロストーク! 論〜幸福な時間/森本毅郎〜大沢悠里/永六輔〜久米宏/大槻ケンヂ〜内海ゆたお/ケンコバ〜赤松さん
TBSラジオ954kHZ
08:29 31 OCT 2014
(森本毅郎・スタンバイ)
森本毅郎
「それでは森本毅郎スタンバイ、今週はこの辺で。次呼んでみましょうかね。大沢さん!」
❌(クロス!)
(大沢悠里のゆうゆうワイド)
大沢悠里
「はいどうも。今日はね、ゲストにテツandトモさんきますよ。♪なんでだろう〜てね。」
毅郎
「へええ。そうですか」
悠里
「全盛期は2003年ごろということです。今でも忙しいらしいですね」
毅郎
「エッ!?そうなの!?」
(全盛期過ぎたのに‥‥)
「なんで?そうなの?なんで?‥ ♪なんでだろう〜」(FADE OUT)
朝から丁々発止。
生放送ならでは。
朝のユーウツを吹き飛ばす。
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8:30までの「スタンバイ」
8:30からの「ゆうゆうワイド」
毎度クロストークがある。
TBSラジオでいえば「土曜ワイド 永六輔 その新世界」〜「久米宏 ラジオなんですけど」は隣のスタジオで、クロストークの時にオートマチックに「カーテンが開き」、終わるとオートマチックに閉じるらしい。
TFMの昼間もあった。
昔のニッポン放送の夜もあったかもしれない。大槻ケンヂが次の番組に「ゆたちゃんのバーカ」と呼びかけたらマジギレされたという。その内海ゆたおの番組は短命に終わり、現在は正しく残念な大人になっているという事実を「ナイツのラジカントロプス2.0」の漫才協会の話で知ることになったのだった。
さてクロストーク。得した気分になる。別々の番組が交わる時間帯。ちょっとしたオールスター。いいともグランドフィナーレ。
パーソナリティのスキルや体調のバロメーターでもある、ラジオの醍醐味。
ちなみに、
生放送同士のクロストークではないが、FM OSAKAの「TENGA茶屋」で、ケンコバが、番組を覗きに来た同局おしゃれ番組の美人パーソナリティ赤松さんに下ネタ責めする様子は、たいへんにすがすがしいのだった。
第369回 ひろったやまねこ 論(2)〜中島みゆきベスト盤のカセットテープ
家に帰り、ラジカセの取り出しボタンをガッと押しテープをズゴンと入れた。聴きかけだったから巻き戻した。デッキ内でテープが「かんだら」こわいなと思いながら。
テープがかんだ時は悲惨で、取り出そうとしてもテープが、汁を吸いどんどん膨張する麺の如く、手品のリボンの如く溢れてきて、その意外と傷つきやすいテープを元に収めてもノイズが入るだろうと絶望的な気持ちになったものだった。
再生ボタンを モニュ っと押した。最初はヨボヨボながら、ちゃんと再生された。一曲目は「やまねこ」だった。
こわい。聴いたことのない音楽。こわい。でも曲はかっこいいぞ。テンポ、メロディと耳触りはアッパーだ。「魁!!男塾」オープニング一世風靡セピアぽい。流行りのテイスト。しかしどこか後ろ暗い。歌詞は子供にはぼんやりとしかわからない。「‥女衒と女たらし」は「世間の女たらし」に聴こえた。
何回も聴いたので、大人になっても、例えばFMでトークを聴いたり新曲を聴いたり夏休みを思い浮かべたり、ことあるごとにフレーズを思い出した。大人になるごとに
み ゆ き !!!!
後に、ペラっとした硬いサウンド、キーボード多用、無慈悲で正確なBPMは所属のヤマハの楽器をふんだんに取り入れたからかもしれないと思った。
また後に、パティ スミス の ビコーズ オブ ザ ナイト と似てる/似てない の話があったが、そんなことはどうでもよく、人は、特にものを創る人は、他人の想像もつかない考えがあると思うので、オマージュかもしれないしノリでやったのかもしれないと素人が勘ぐるのはゲーセワというもの。
ただ、別の意味のゲーセワなところでいうと、「やまねこ」は沢尻エリカの記者会見の映像にかぶせたらハマりそうだ。同じく沢尻エリカ主演「悪女について」で使われるのも悪くない。
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ひろったテープは「Singles」だろうか。テープのみの作品だったかもしれない。
ほかに、「横恋慕」「悪女」」あたいの夏休み」「ひとり上手」あたりを繰り返し聴いた。
第368回 ひろったやまねこ 論(1)〜ずぶ濡れの雨の中で
ともすれば「聞いた」「落ちてた」「見た」「ひろった」「知ってる」という体験は実体験に聞こえるが、もしこれがすべてNET用語だったとしたら、空恐ろしくなるのはおれだけだろうか。
ネット上のあれこれを、実体験の言葉で語る気持ち悪さ。
猿でもググれる。猿でも反省できる。猿こそ手淫し続ける。
子供の頃は、ネット上ではなくリアルなひろいものをよくした。いろいろなものがよく落ちていた。エロ本、花柄の魔法瓶、ラジカセ、がらくた。
通学路のその角は空き地で、よくゴミが投げ捨てられていた。向かいは友達のやっくんの家があった。彼は筒井康隆から名付けられた、なんともインテリで団塊な親だ。そして隣には扇風機にあたりながら寝て死んでしまった(とうちの親が言っていた)老人が住んでいた。
さてその空き地には、時に野良猫の死骸が放置されていてギョッとした。日に日に骨になってゆく。
ある日、カセットテープ24本ほどを収納できる、クルマに持ち込む用の取っ手のついた赤いビニール製のケースが捨てられ、中身が荒らされていた。雨でずぶ濡れだったが、何本か救出できそうなテープのうち、黄色いラベルの、いわゆる商品として売られているものがあった。
中島みゆき ベスト盤。
第367回 女性器の輝く時代 論〜 小渕優子が20年後に復帰する日
ケーキや指輪で女房のご機嫌取り。株は上がるもしかし根本は男根社会。脆くも崩れ去った。
- 作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子
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さて、中島らものエッセイにこういうものがあった。
「女権社会」
ママ社長の重役会議
重役A「ママ、今日は糖が下りたよ!」
ママ「こらっ!気をつけなきゃダメでしょ!次やったら奥さんに言いつけるよ!」
A「ごめんなさあい。。めそめそ」
重役B「ママン。村上商事のショージくんが僕にいじわるするんだ。今度の取引ジャマするって。」
ママ「しょうがないわねふたりとも。子供の頃よく遊んだ仲でしょう?ママからショージくんのママにはよく言っとくから。仲良くおし。」
B「うん。べそべそ。」
という、ギャグ・皮肉・希望が入り混じった短文であった。
根本から男女逆転すると、社会がうまく回る。寛容さがポイントで、もちろんヒステリー持ちの女性はFIRED。
これこそ、女性の器の輝く時代なのではないだろうか。