第335回 山田太一史観の愛の渦、恋の渦 論〜UZU UZU するSEX
【映画パンフ】カリフォルニア・ドールス ロバート・アルドリッチ ピーター・フォーク
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山田太一「輝きたいの」とアルドリッチ「カリフォルニア ドールズ」を比較してみたいと思っていたが後者を観れない状況もあり、コノヤロー映画業界と思っていたところ、山田太一と大根仁監督を比較したく観たのが「愛の渦」だったが大根仁監督作品は「恋の渦」で「愛の渦」は三浦大輔監督だった。
大根仁監督は自他共に認める山田太一ファンなので、そのあたりが現代の監督としてどう現れているのかという好奇心から。「恋の渦」は次回みてみたい。
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さて、TBS日曜劇場「おやじの背中〜よろしくな、息子」とドラマのヒット後の小林秀雄賞とこのところバチバチきてる老年の山田太一。
その「ふぞろいの林檎たち」と「愛の渦」が表裏一体と思わず思ってしまったのは、オープニングが六本木。「ふぞろいの林檎たち」(83)のオープニングも六本木なのだ。
六本木交差点から西のガードレールに腰かけBURGER KINGのバーガーかじってる仲手川良雄。
一方「愛の渦」(14)の池松くんも六本木に降り立つ。交差点から乱交パーティーのある秘密マンションへ、南下する。
83年、西方面つまりセゾン系渋谷の開発が新しかった時代。
14年、南方面つまりもうクラブやらキャバクラやら黒人やらでグダグダに行き詰まっている時代。
交差点から北にミッドタウン。西はヒルズ〜渋谷。東は首相官邸。
- 作者: 山田太一
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仲手川良雄は一流大学のスーフリの如きナンパサークルのコンパに紛れ込む。三流大学の仲手川は格差にやられほうぼうのていで弾き出されながら、夏恵さんという素敵な女性に出会う。
一方、池松くんは乱交パーティーに紛れ込む。NEETなりの格差のなか門脇麦ちゃんという素敵な女性に出会う。
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同じ群像劇でありながら、「ふぞろい」を「SEX」で描くのが「愛の渦」。
「ふぞろい」の抑えた描写、露骨にSEXを描けばいいってもんじゃない、というのがエロスだと思う。おれはそれが好きだ。
「愛の渦」は露骨にSEXを通して群像劇を描いた。しかしニンゲン変わっていなかった。「気まずさ」「駆け引き」は昔のママ。違うのは妙な俯瞰。
日常の禁を解く。そこからの燻りや爆発が共感笑いをさそうのは、共通している。
- 作者: 山田太一
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池松くん、会社員、新井浩文、こまきねくん、男性陣には誰にも共感できる部分がある。中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾も同じく。女性からみると女優陣もそうなのだろうか!?
・会釈
池松くんと麦ちゃんが「会釈」する。ふぞろい的である。
・おっぱい
控えめなお椀型の、ツンとした上向きおっぱいは、麦ちゃんと高橋ひとみ、偶然にも似ている。
・新井浩文
「名前のない女たち」に出ていた。今回は巨チン役で。完全にSEX男優である。
・「仕事どこですか?」
エロエロ会社員が「仕事どこですか?」とKY発言。ふぞろいII(85)第一話のタイトルと同じである。
・朝日の無常さ
一山おわり、各々3回戦終えた明け方。マネージャーの窪塚くんが無情にもカーテンを開け朝のテレビをつけ現実へ引き戻す。ちなみにおれの早朝は「生島ヒロシのおはよう定食」「森永毅郎スタンバイ!」なので、テレビは「他人の家の朝」の感じがした。
朝焼けがとても良かった。目が痛い。疲労と乳房と希望。「モテキ」でもこんなシーンがあった。
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